いよいよG検定2020#1の受験申し込み日程が迫ってきました。
すでに受験を決意されて学習を始めている方もいれば、興味はありつつもまだ様子見って方もいらっしゃるかと思います。
今回は主に、学習が間に合うか不安に感じている方や受験を迷っている方に向けて、今後のG検定の難易度と、必要な学習時間についてまとめていきたいと思います。
もくじ
ずばりG検定の学習時間と難度傾向は?

結論から申し上げると、
難易度:分野の発展に伴う、学習フォロー範囲が拡大中
学習時間:20〜30時間(最低)
あくまで目安ではありながら、わたし自身のG検定2019#3合格までの経験と、周りの受験者の声、関連の記事などを読むに付け、以上のような目安が立てられそうです。
それではまず、難易度とオススメの取得タイミングについて。
G検定は早く取得した方が学習が少なくても済む?
難易度に関しては『学習フォロー範囲が拡大中』という言葉で、難易度の評価としては若干ズレますが、資格そのものの本質が「ディープラーニングが社会に及ぼす影響」に関して知識を問うものなので、日々進化するAI・DL領域を扱うためにはどうしてもフォローすべきトピックは日に日に広範囲に渡ってしまいます。
したがって、設問のレベル的な難易度は変わらなくても、必然的に取り入れる知識の量が増えるため、回を追うごとに受験者の負担は大きくなることが予想されるのです。
2020年もG検定は年3回開催
G検定は昨年同様に2020年も3回の試験が予定されており、4ヶ月おきに開催されています。

「さすがに4ヶ月見送っただけでは出題範囲さほど変わらないだろ」と思いきや、この分野に限っては突如として革新的な技術が生まれて、瞬く間に世の中のスタンダードになってしまうことが起こり得ます。
そうした社会にインパクトを与える大きな出来事があれば、出題側も当然スルーはできず出題範囲に盛り込まれるわけですから、例え4ヶ月であろうとも、いずれ資格取得を考えるならば早く受験する方が得策と言えるのではないでしょうか。
G検定出題側はさらに先を見据えている

以下の記事で、G検定を実施しているJDLA(日本ディープラーニング協会)の方々がインタビューで、試験について難易度や出題問題について触れています。
資格Times|AI資格の大本命!G検定・E資格についてJDLAの事務局長に直接取材してきました!
記事から引用すると、
G検定などで学ぶ内容って日々アップデートされるものなので、毎回問題が変わってくるのです。例えば昨年2019年に行った試験では2018年に出てきたBERTやELMoのような「新しい技術で知っておくべきもの」が出題されました。
当然2017年で受験された方はこうした問題には触れてこなかったわけです。このように試験問題が更新されていくことで、難易度にもある程度影響は出ていると思います。
日本ディープラーニング協会の理事 兼 事務局長である岡田隆太朗氏による発言
(〜中略〜)
こうした最新技術に関する知識は日々アップデートしていかなければならないので、GやEは「いつ取ったのか」という点も大切になってくる資格でもあります。
取得から2年以上期間が開いた時には、ぜひもう一度試験を受けていただきたいですね。
「え、何回も受験すんの!?」とちょっと頭の痛くなる話ですが、逆に言えば当面は、早い年度が示されていた方が、情報をキャッチアップしていた期間が長いと印象付けることもできるので、ディープラーニング導入過渡期の現在では、取得が早い方がキャリアに有利に働く事も多いのではないでしょうか。
『免許更新』のようなことを考えるのはまだ先のことになりそうですかね。
取得者数の増加に伴うG検定のレア度

次にG検定の受験者数、合格者の推移を見てみましょう。
グラフが示す通り、明らかな増加傾向にあり、現在までの累計合格者は15,000人弱、さらに先ほどのインタビュー記事内では「2020年内に10万人にG検定を受験してもらいたいと考えている」と語られています。
これまでの合格率は70%程度ですから、のべ10万人が受験すれば資格取得者は7万人に上ることになります。
かなりざっくりとした計算で、あくまで実施側の理想の値ではありますが、少なくとも人材不足が叫ばれる業界においてJDLAが見据えている数字であり、ここからさらに取得者の中での競争が生まれてくることが考えられます。
難易度の傾向と合わせても、早い取得にメリットがあると言えるでしょう。
1ヶ月あれば間に合う!G検定学習時間

早い取得が有利だとしても、試験が近くて学習時間が取れないと諦めている方、まだ検討する余地があります。
わたしの場合は完全な自営業のため、学習時間の調整が効きやすかったことが大きく、約2週間で30時間ほどの学習時間を確保し合格に至りました。
あらかじめ持っている知識や身を置いている環境にも依るので、一概に時間単位では括りにくいところではありますが、先ほどから引用しているインタビューの中でも、
私は日本ディープラーニング協会にくるまでAIに関する知識を全く持っておらず、さらに数学も超苦手なタイプの人間でした。
日本ディープラーニング協会 事務局の佐々木智美さん談
少なくても20時間くらいは勉強したかなと思います。20から30時間といったところでしょうか。
私の場合は基礎の基礎から知らなかったので、公式テキストに入る前に、よりとっつきやすい松尾先生の「人工知能は人間を超えるか」などから読み始めましたね。
勉強期間でいうと1~2ヶ月くらい、週に1~2回、3~4時間まとめて勉強する、といった感じでしたね。
やはり学習時間は20〜30時間が目安。
そして基本的に向き不向きはなく、詰まるところ、読書習慣や長い文章を読み慣れていることこそが肝になってくる印象です。
むしろギリギリで学習を始めた方がいい?

また前半でも触れた通り、学習フォロー範囲が只でさえ広いので、「長いスパンでじっくり勉強」できたとしても、結局次から次へと忘れていく内容を試験前に総復習しなければなりません。
そのため、集中して短期勝負した方がむしろ効率的と言える試験かも知れません。
実際わたしも『2週間で仕上げるG検定』記事でも書いていますが、短い学習期間が、かえって集中力を持続させる結果となり、合格することができたように思っています。
わたしが行なった学習内容も紹介しているので、よければ上記の記事も合わせて読んでみてください。
以下ちょっと蛇足です。
G検定取得者が活躍できる社会

何故わたしがG検定取得をオススメしているかと言えば、自分の知識や資格がちゃんと役に立つ世の中であって欲しいと考えるようになっているからです。
実装技術やリテラシーが及ばないうちに名前だけが一人歩きした結果、世間がディープラーニングに抱いた幻想が崩れ、本来技術革新やビジネスチャンスがあった場所がなくなっていってしまう……
ここ最近より一層「AI」や「ディープラーニング」という言葉を世間で聞くようになっている中で、著名な研究者の方も最も危惧している事態の一つです。
正直、G検定取得前は実感していなかったことですが、資格取得後にいわゆるステークホルダーと呼ばれるポジションでAIに興味を持つ方々とお話する場面で、根本的にディープラーニング技術を履き違えたまま乗り出し、そして勝手に幻滅していきそうな雰囲気をプンプン感じるのです。
……と、分かったような口をききましたが、とにかく幅広く沢山の人がディープラーニングに関する正しい知識を持つことが第一かなと考えている次第です!
次回の2020#1は3月14日ですね。
この記事が、受験を迷われている方や学習時間に不安を抱いている方のお役に立てれば幸いです。