このブログで紹介しているように、わたしの関心の一つは「登山」なんですが、もう一つ、多くの時間を割いている趣味に「音楽鑑賞」があります。
さらに言えば、デジタル音源(CDや、サブスクなどの圧縮音源)ももちろん利用しますが、基本的には「レコード=アナログ盤」で聴きたい。
レコードで聴く方がより心地よい、と思っています。
ここでは世間でよく言われている、
- デジタルに比べてアナログが高音質である
- 臨場感や存在感がアナログの方が強く感じられる
といったオーディオ・マニアックスな内容は他に任せて、
「登山とレコード鑑賞の共通点」について調べたので、まとめてみたいと思います。
もくじ
結論:共通してアルファ波が出やすい

そもそも「登山と音楽鑑賞の共通点なんて聞いたことないぞ?」って話になりそうなので、先に結論から述べました。
どうやらα波(アルファ波)という観点で見ると共通点があるらしい。
でもいきなり「アルファ波」とか言われると、ちょっと取っ付きづらいですよね。わたしもなかなか理解に苦しんだので、まずは分かりやすい例から掘り下げていければと思います。
ランナーズハイとコンサートでの興奮

わたしの場合、ランナーズハイってものは経験したことがないんですが、、登山する人で言えば、「疲労困憊だけど稜線歩くの、超気持ちいい」ってこととだいたい同じかなと思います! (稜線=ピークとピークを繋ぐ尾根)
音楽に関しては、子供の頃に学校行事などでオーケストラのコンサートを鑑賞したことはありませんか? 曲とかぜんぜん知らなくても、たくさんの生楽器が一斉に美しい音色を出しているってだけでゾワッと興奮を覚えた記憶ってないでしょうか。
要は、運動を通じて身体的に得られる快感と、音楽体験などで聴覚から得る快感では、どちらも似た脳波が発生していることで快感を感じているということです。
※ただし、興奮の絶頂時にはアルファ波でなくベータ波が出ているので、興奮・集中状態からは落ち着いているものの、快感は持続している、といったときに発生しているのがアルファ波だそうです。
下のイメージ図を見てみてください。

アルファ波に呼応するのは「リラックス」状態とされています。
登山におけるリラックスってなんだろう
α波(アルファ波)とは、先述している通り、人間の脳が発生する電気的信号(=脳波)の一つで、おおよそ8〜12ヘルツの振動数を持つ周波数帯を指します。
日常生活だと、普通に活動している状態よりも覚醒レベルは低いが、かと言って瞑想時やまどろんでいる状態に比べると意識がはっきりしている、このときに発生している脳波がアルファ波であり、その状態こそ「リラックス」状態なんだそうです。
そこで、登山時のリラックス状態っていつ現れれているかと言えば、
美しい自然で行うアクティビティ

登山の効能についてリサーチしていると、神経科学者ハナー・クリッチロー博士の、以下のような見解を見つけることができました。
(略)美しい自然に囲まれた環境でのハイクはアルファ波を誘発して脳に刺激が入るため素晴らしい結果を得ることができる。クリッチロー博士は次のように説明する。「美しい自然環境で身体を動かせばアルファ波が誘発されます。アルファ波は脳内でゆっくりと流れる電気信号です」「アルファ波の特長は、冷静かつクリエイティブな思考の助けとなる点です。アルファ波が増えれば抗うつの助けになるという見解も存在します」
ハイキングはなぜ脳に良い?:10の科学的根拠より
確かに展望がきれいな場所を歩き続けているとき(天候に恵まれた場合に限られますが)って、『感動しながらもただ無心に進んでいる感じ』がありませんか?
わたしは思い返してみると、「あの気持ちいい時間がリラックス状態か!」と、すごく腑に落ちる部分がありました。
もちろん、稜線まで詰めたという安堵感や、ルートの傾斜が弱まって緊張が解けたことも加わっていると思いますが、わたし個人としては、あの体験(稜線歩き)のために登山していると言っても過言ではありません。
音楽のリラックス効果は有名

一方で音楽には、「ヒーリング・ミュージック」というジャンルもあるくらいですから、聴いて楽しむこと自体に「リラックス効果」があるというのは容易に想像がつくと思います。
一流のアスリートも音楽を聴きながらウォームアップしたり、近頃ではオリンピック本番もイヤホンつけて競技するスノーボードの選手がいました。好きな音楽を聴くことで集中力が高まるのだと思います。
レコードでしか味わえないリラックス

しかし、実はアナログ再生とデジタル再生では、「リラックス効果」が異なるそうなんです。
そもそも「人間の可聴域」というものは限られているので、音楽として「聞こえる音」は、CDもレコードも変わりません。
(CDの音質をさらに圧縮したサブスク音源などは多少差が出ますが)
このへんは深入りするとキリがないんで大胆に割愛しますが、
つまりは、含んでいる音域の広さを比較すると、
サブスク < CD < レコード < 生演奏(=自然界)
という見方ができ、録音物の中で最も自然の音に近いのはレコードの音と言うことができます。
具体的に、『どの成分がアルファ波を誘引しているか』に関しては、リサーチしてもピンポイントにわからなかったのですが(リサーチできたらリライトします)、上記リンクの実験を見ても、レコード鑑賞と稜線歩きは、共にアルファ波を発生させやすい行為ということは間違いなさそうです。
地球の振動がアルファ波と同じ?

そして、これは科学的な根拠はないそうなんですが、『シューマン共振』と呼ばれる、地球上に常に共振している周波数がある(wiki参照)そうなんですが、その数値がおおよそ8ヘルツとアルファ波と同程度とされています。
共振や共鳴と言えば、メトロノームを使った同期実験(たくさんのメトロノームをバラバラに動かしても、だんだん振り子の動きが揃ってくる)なんかは有名ですが、ひょっとして稜線上でアルファ波が発生している状態って、「地球と自分の脳が共鳴している心地よさだったりして」なんて思ったりしたのは完全な余談です。。
レコード鑑賞で冬場を乗り切る

憶測や願望ばかりで締まりのない記事になってしまいましたが、『登山とレコード鑑賞には通じるものがある』という直感を頼りにリサーチして記事にまとめてみました。
なんの役にも立たなそうな内容ですが、厳冬期もアタックする登山者以外にはオフシーズンの冬。登山と同じくアルファ波を発生させられるレコード鑑賞をしてみてはいかがですか? 稜線歩きを思わせるような心地よいリラックス状態に浸れるかも知れません。
最近だとレコードブームも手伝ってか、2万円ほどで、レコード・カセット・CD・ラジオ・USBメモリ・Bluetooth・外部入力の7つのオーディオソースが楽しめる「オールインワン・ミュージックプレーヤー」なんて代物もあってビックリしました。
なにより配線がごちゃつかないのが羨ましい。。そして、bluetoothスピーカー買うならちょっと奮発して買えちゃう値段設定が憎いです。
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『山に行きたい病』にかかってしまった人ほど、なかなか行けない冬場は悶々とストレスを溜め込んでしまうものです。
そんなときに自宅でレコード鑑賞してみると、山への思いは馳せつつもとてもリラックスすることができますよ。