先日購入したワークマンのエアロストレッチ アルティメットパンツ。
色々なシーンで使ってみたので、アルティメットパンツを重宝するシチュエーションと、逆に向いてないシーンについて、合わせてそれぞれの対策も一緒に紹介していきます。

前回記事でもお伝えしてますが、大前提として防寒パンツとしては超高コスパであることは先に申し上げておきます。
『防寒+リーズナブル』という点だけ見れば、最強クラスと言っても大げさではありません。
寒さ対策に「ユニクロにダウンパンツってないの?」と思って探している方には一番にオススメします。
その上で、しいて言えば気になる点や、万能だと思っている方に少し着用シチュエーションが限られることをお伝えしたいと思います。
【残念ながら2020年9月時点の販売なし!】2020.09.25 追記
2020年は現在のところ、AERO STRETCH(エアロ・ストレッチ)シリーズのパンツの販売はないようです。ジャケットは今シーズンもラインナップされているので、冬が近づけばパンツの販売が再開されるのかも知れません。
【2020年、アップグレードして販売開始!】2020.10.16 追記
10月に入り本格的な秋の到来とともに、2020年もアルティメットパンツの販売がスタートしています!すでに売り切れサイズもあるようなので、お買い逃しなく!
【今期!2020AW】AERO STRETCH ULTIMATE(エアロストレッチアルティメット) パンツ
2019年バージョンはパンツの重みでのずり落ちが少し気がかりでしたが、今期はウエストにアジャスターベルトを搭載してのリリースのようです!
また裏地に用いたアルミプリントに関しても表記がなくなっています。この点は防寒性より蒸れ防止の快適性を重視したものか、と思われます。去年バージョンは通気性を捨て過ぎてたって気もしないでもないので、今期バージョンの方がいいバランスだと個人的には思います。
そして、お値段も据え置きで、やはりすばらしいコスパの防寒パンツ。ウエスト部分とアルミプリント以外の基本的な機能性は変わらないようなので、よろしければ以下のレビューも参考にご覧ください!
もくじ
弱点1|防水・撥水性は持ってない
まず一つ目。ほとんど水を弾きません。
防水性能に関しては、ワークマンでも元々推しているわけではないので仕方ないところですが、一応、参考画像を見ていただくと、

表面にジトッと水分がついて、そのまま繊維に染み込んでいってしまいます。
アルティメットパンツ表面の生地自体もツルツルではなくマットな質感なので、水が触れた瞬間に弾くどころか、どちらかと言うと水分がまとわり付いてしまうような印象です(濡れた下草のある場所を歩いたらきっと即ビショビショ)。
すぐに水気を拭き取っても、生地に浸透してしまった水分は残ります。
したがってひとたび水気を帯びてしまうと、元々軽くないパンツがさらに重くなって、かなり動きづらくなってしまうでしょう。
それでも落ちない保温性
ただし、前回レビューに書いた通りポリエステル素材なので、浸透した水分によって中綿の保温性が大きく損なわれることはありません。
また後述しますが、裏地にアルミプリントが貼られているので、もしもズブ濡れになってしまっても完全にパンツ内部まで水が侵入してくることはないように思います(ウエスト部や裾から入り込むことはあっても)。
実際わたしも短時間ながら小雨のなか使用しましたが、保温性が下がる感覚はありませんでした。
ということは、「雨天の場合には上からレインパンツを重ねればいけそうかな!」という発想に至るのですが、なかなかそうもいかない懸念点が弱点2に続きます。
弱点2|アルティメットパンツは蒸れる
汗抜けが悪い事は以前にレビューした通りです。
それというのも保温・断熱効果アップのために裏地に貼られているアルミプリントがほとんど湿気を外に逃さない為と思われるのですが、ひっくり返して見てみると、

股から10cm前後下までピンク色に見える部分にアルミプリントが貼られています。
下腹部は、もっとも冷やしたくない部位であると同時に、もっとも換気が必要な部分でもありますが、アルティメットパンツは保温を重視した結果、履いたままの換気を捨てたとも言えるので、やはり使うシチュエーションを選ぶことになります。
余談ですが、セットで販売されているアルティメットジャケットの場合、前ファスナーを全開にしてしまえば一気に換気できるわけですが、パンツではそうはいきませんね。。
通気性対策と注意
対策としては、インナーにウールなど湿気を吸ってくれて、なおかつ濡れた状態でも不快感が少ない素材を選ぶということ(個人的に履き心地の良さ、蒸れ対策、汗冷えの少なさからメリノウール製が一押し)。
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あとは基本的に運動量の多いシチュエーションでは使わない、または一時的に脱ぐという対処が必要になってきます。

したがって、先述の「アルティメットパンツの上からレインパンツを履く方法」は、さらにパンツ内の換気を悪くするので、逆にインナーの汗濡れが進んで身体を冷やしてしまう恐れがあります。
もしも雨天も想定して使用を考える場合は、ロングブーツなどでパンツの裾をしまい(裾のリブ部が一番水分を含みやすいので)、丈の長いカッパやケープ状の雨具を上半身からスッポリかぶる、などすれば対応できるかも知れません。
弱点3|ズリ落ちがちアルティメットパンツ
それからもう一点。
ウエスト周りの処理が独特です。

ベルトループはありながらも、フロント半周はヒモ、背中側の半周はゴムと、ベルトなしでウエストを締める能力が高くありません。
ヒモが腰を一周していないので、いくらヒモをしぼってもゴムの伸縮(強力とは言い難いゴム)に依存してしまうので、思いっきり締めあげても安心なフィット感は得られませんでした。

なので、選ぶサイズにもよると思いますが、少々タイト目に選んだとしてもウエストは締まりきらず、ベルトをしないで履くと、パンツの自重でズリ落ちがちになると思っていた方がいいと思います。
ただし別のズボン(スウェットパンツなど)を履いた上から履くと、ももやお尻など腰以外の部分にテンションが生まれて、下がってきづらくなります。
用途を見極めてサイズを選ぼう
つまりアルティメットパンツは、オーバーパンツ的な使い勝手を想定して、ウエスト周りがあえて軽処理なのだと思われます。
よって、他のズボンを下に履けるサイズを選んでおいた方が使い道は多くなりそうです。ご参考までに。

弱点というより潔さ
以上のように「弱点」と少々イジワルな言い方をしてきましたが、
結局のところ、アルティメットパンツは、
- なによりも保温性を重視
- オーバーパンツとしての履き方に限定
この2点を徹底し他の要素をある程度切り捨てることで、無二のリーズナブルさと暖かさを実現しています。
むしろ『全部乗せ』にすることで、どの性能も中途半端で使いどころがないギアは世の中にたくさんあります。それに比べれば、こうしてハッキリと場面を限定して使えるものの方が潔く、また実用的です。
やはり作業現場、屋外用のウエアを作り続けているワークマンだからこそ作れる衣類であると言えるでしょう。
これこんだけ暖かくて税込3,500円ですからね。今だに信じられません。
一応、シチュエーションや用途は選ぶものの、とにかく防寒着としては最高で、めちゃくちゃオススメのワークマン、エアロストレッチ アルティメットパンツです。売り切れる前に是非手に入れてください!
【改良を遂げたアルティメットパンツ!】2020.10.16 追記
2020年バージョンはウエストベルトの追加搭載、アルミプリントの非採用により、昨年モデルに比べて、ずり落ち・通気性ともに改良がなされ、より動ける防寒パンツにアップデートしているものと思われます!
番外編|座るシチュエーションでのひと工夫
地べたや冷たい面に座る場面で使うときは、巨大ヒップポケットを利用してさらに断熱することができます。

こんなふうに断熱マットをカットしてポケットに収納しておくだけで、断熱+クッション性がアップ。
このヒップポケット、「タブレットが入る」という触れ込みの通り、本当に深く大きいのでまったく飛び出してくることなく収めることができました。
キャンプの食事の際や、運転中などにもいいかも知れません。